育児の百科

松田道雄『定本育児の百科』岩波,
定本育児の百科
6日ぶりにあうと、チビ太は顔がすこし横にふくらんでいた。元気に泣くようにもなった。
会う前に梅田で育児書を探す。いろいろあったけれどこれと言って深い考えもなしに松田道雄のこの本と赤ちゃん&育児雑誌のムック本を数冊買う。後者は写真やイラスト満載で、役に立つかと思ったらあにはからんやだった。かなり使えない。
松田道雄のこの本はいい。まず文章がいい。ふつうに読める。だいたいのことをざっと知ることができ、それでいて案外かゆいところに手が届いている。しかしなによりも文章だろう。たしか山田稔のエッセイにも人文研周辺の人びとが、彼の世話になった話がいくつか出てきたようにおもうけれど、さもありなんと深くなっとく。しかし昔は本当にいい本を出していたんだなあ。
今だったらきっと「講座 育児のポリティクス」とかのシリーズ名で、「育児の共同体から学びの共同体へ」とか、「育児書のマイクロ・ポリティクス」とか「共生の技法〜子育てする身体」とか「生(いのち)のレッスン〜触れあうことの共鳴」とか、「他者としての子供」(この本は本当にあるかも)とか「語りえぬものとしての育児」とか、あとなんだろ、「問いかけとしての育児 責任/応答のパラドクス」とか。うーんきしくんのに比べると、イマイチ面白くないな。岩波風にしようとするからかな。echizen考えてよ。