ええとハッキングの

Mad travelersいつまでたっても出ないなあ。 また早川が版権とってるのだろうか。多少切れ味は鈍っているようにも思いますが、そのぶん読み物としては面白くかけているように思います。

Mad Travelers: Reflections on the Reality of Transient Mental Illnesses

Mad Travelers: Reflections on the Reality of Transient Mental Illnesses

フーガ(fugue遁走)ってえ病気のことを書いてるのですが、これはフランスであるとき大流行した病気なんだけど、それ以外の時代と場所ではきわめて稀にしか「発見」されない病気で、そのことを調べて書いてる。

とつぜん出奔して、気が付くと外国にいたりする。その間の記憶は無い場合が多い。こういう「病気」が「存在」することになった条件って、なによ、というのが中身。

まあ雑にいうと、フーガって昔はバガボンだったし、いまは多重人格だったり、癲癇の発作だったりするのかもよー、ってなことなのだが、だからといってそれを「社会的に構築されたもの」っていうのはあんまし単純化がすぎるよねー、まあ世の中の「すきま」に生息する生き物ちゅうことにしときませんか、というあたりがいかにも『表現と介入―ボルヘス的幻想と新ベーコン主義』のハッキングで、保守的なおっさんとしてはそのあたりが好ましい。(若い人は生温い!という感じになるのかもしれん。)
あるいは生物(生態)学 vs 社会学というふうに見える人には見えるかもしれんが。ちとそれはちがうんちゃうか、と思う。理解の枠組みを変えたほうがいいんとちがいますか、ということに思う。

エコロジカル・ニッチという言い方をしてたんだっけか、そういう比喩がいいか悪いかは別として、なんか問題の立て方がすこしずれてる、という意識なんだろうと思う。

Social Construction of What? はちょっとポレミックというか、宙に浮いた論争がやってくるのが目にみえそうでそれよりはこっちが先に読めるといいと思うんだよな。それにこの論争ってなんか具体的なフィールドがあるほうがいいように思う。一般的、理論的にだけやっても、どのみちあんまし面白い論争にはならないだろうし。おめーらともかく一回実験してみろ、というハッキングだし。

もうそんなこと書いてる暇ないけど、ジュネって捕まったあとこのフーガって診断されてるんだよね。するってえと、ジュネっていまだと多重人格かい?という短絡がねずみのあたまのなかではおきる。 (まあ人格障害あたりはありそうで、そうするとぷちエッセイねた。)
そういうような「病気」。ひまな人はホワイトの『ジュネ伝』見てみそ。
ジュネ伝〈上〉

ジュネ伝〈上〉

ジュネ伝〈下〉

ジュネ伝〈下〉

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久しぶりに本屋に行って本を買うの巻
私は赤ちゃん (岩波新書) うなずきん 戦争請負会社
松田道雄はいい仕事をしますな。ついつい読んでしまいました。
うなずきん、なんか盛り上がってるようです。
「戦争請負会社」たまたま南大阪の本屋にもありました

いただいた本。
性の用語集 (講談社現代新書)

性の用語集 (講談社現代新書)

ありがとうございました。