NHK

id:Shigeki:20050127より。
ともかく報道の世界への政治の事前介入はダメだということは確認されたのはよかったように思う。
近代の政治制度での世論の役割というのは、当初の出発点からかなり重要視されていて、報道の自由なんてのは事実上、昔で言うところの基本法の一部だと思って差し支えない。かつての王政だと基本法というか憲法の一番大事な問題は相続の問題で、フランス革命のときの王政派(立憲君主制支持派)だったムーニエが考えた憲法草案には、えんえんと皇位継承権の順番が書いてある。
それがまあ国家の基本構造の根幹にかかわる部分だったわけだから当然だ。この王という存在を傷つけることはつまり国家の基本構造を傷つけることと同じだから大逆罪lese-majasteはだから憲法のなかでもわざわざ言及されることになる。
もし報道の自由がそういう国家の基本構造の骨格にかかわるということになると、ここを攻撃することは昔風に言うとあきらかに大逆罪で、ときどき混同される「現政権」への反逆と「国家」への反逆ということでいうと明白に後者のカテゴリーにはまることになる。
もし政治家たるものが、こういう「大逆罪」を犯すことになれば、首が飛ぶだけではすまないと考えるべきで、せめて市民権の一部停止ぐらいはやっとかないとバランスが取れない。だからもし朝日が間違ってればこれはもう大変な問題で、社長が頭を下げて済むような問題とも思えない。
さらに、政権党の幹部なのだから、こういうことを誤解させるような行為があったかなかったか、というのも大問題で、個人の不注意でそうとられかねない行為があったならば、これはやはりゴメンといわんとまずいだろうし、制度的にそう誤解させかねない制度になっているのならば、その制度はどうよ、という議論にならないとまずい。
幸いNHKはどんどんレートを吊り上げてくれているわけだから、このさい、徹底的にやってもらってぜひとも安部にも中川にも朝日を訴えてもらわないと困るし、NHKを見習って朝日も徹底的におまえらの制度がよくないんじゃ、とやってもらわないと困る。