読んだ本。

デメキング 完結版

デメキング 完結版

すばらしすぎて言葉を失う。なんというかやはり漫画は純文学「風」のものではなく(それはノー・サンキュー)、エンターテインメントという縛りがあったほうがよいものになるのだろう。
しかし当時の編集者は、歴史に名前を残し損ねたのかもしれない。力尽き、破綻を縫い止めることができないところまで連載を続けさせていたらどうなっただろう。いや、「させる」というような何かの積極性ではなく、むしろ、そういった小賢しいことはせずに、勇気を持って大胆な投げやりさを発揮しておけばよかったのにという感じ。

漫画のすばらしさはコマとコマのあいだにあるのだろうか。

そういう意味では最近のたけしの映画は説明臭くていやだ。

安岡章太郎はすばらしい。きっかけは前にも書いたがこの本。
アメリカ感情旅行 (岩波新書)

アメリカ感情旅行 (岩波新書)

それと何かの間違いで南大阪の駅中の小さな本屋に新刊として配本されていたこれ。
カーライルの家

カーライルの家

同じ本屋で古本で買ったこれ。
父の酒

父の酒

今読んでいるのがこれ。やはり古本で。
鏡川

鏡川

文章の奇妙さというのか、曰く言い難い(考えれば何か言うこともあるだろうが、それもちょっともったいない気がする)リズムのようなもの。たんに文章がうまいというのでなく、むしろつながりと言うべきか、流れの大胆な力、のようなもの。いや不穏とかそういう感じか。
抜群なのではないだろうか。

まだまだ読んでないものが多いのが嬉しい。

ちょっと残念だったものはひぐちアサの『大きく振りかぶって』。
主人公がロボットに乗って闘っているのならば、アレでもよいけれど、野球というのでは・・・・。見たいものを見たいのはわかるけれど。野球は文化系じゃないだろうに。