たいへん

面白い事態になってしまった。ちょっとここまで差がつくとは思っていなかったので、珍しく、あちこちチャンネルを回していると田原そういちろうが意味なくヒステリックに亢奮していて、へーやっぱりそうなのねえといささか鼻白みながら驚いた。なんというか主観的には当事者だったのね。
まあ、そういうなんというか昭和の遺物みたいなものはどうでもいいとして、興味深いのは、与党が3分の2による再可決を強引にやりすぎると、参院サボタージュという奥の手があるらしい。衆院の優越というのを教科書的に理解していたので、これはテレビをみていてちょっと虚を突かれた。ほとんど拒否権に近い権力が参院にあったのだなあ。まあそれはそれでアリなのだが、ただ対立党派が拒否権をもっているというのがちょっと面白い。フランスの新聞を見ていてもSenat(元老院とか上院とか貴族院とか)と訳しているところもあったりして、まあ元老院なら拒否権ぐらいあってもいいのだけれど、良かれ悪しかれ、みなさん、とても元老という風情はないから、二院制を考えたときには想定していなかったような事態だろう。
ある意味では、純粋な二院制だと言えなくもないが、しかしだとすると、これは解散して総選挙しないとまずいのではないかとすら思うが、そういうことを言う国士のひとはおられるのだろうか。まあしかしいずれにせよ、解散権を持っている側には、それは乗れない相談だろう。情勢次第では、いずれどこかのタイミングでやらざるをえないにせよ、ほとぼりが冷めて、状況が変わらないことには、いくらなんでも解散する気にはなれないだろう。

まあ、選挙制度を変えるときに軽挙妄動して変なことをしているから自業自得といえなくもない。権力を持っているといろいろなことがやれてしまうから、本人としては実務的であると勘違いするのではないかと思うが、こういうことになると、じつは、つまらなくイデオロギー的であったり、思いこみで動いたりしただけだったということが判明してしまう。

今後はどうなるんだろう。しばらくすると、奥の院国対委員長とかがあっちこっちうろうろしたりして、なんというか一時的にであれ55年体制に逆戻りする感じになるのだろうか。そこまで持たずに解散総選挙なのだろうか。

いまの政府の体質からすると、交渉でなんとかという感じでもなさそうなので、ひとしきりメディアで騒いで、選挙にもってゆくという戦略になるのだろうか。なんとなく勘弁してほしいかんじもあるし、なんというかそういうメディア政治に倦んだというのが今回の結果のひとつの原因であるようにも思うのだけれど。テレビで騒げばそれはいずれ飽きられざるをえないのだし。
あまり現政権に同情的でない当方としては、山本いちたとか、元アナウンサーの女性とかが当選したのはよかった。



しばらく前から妙な小沢バッシングが一部にあったのだが、こういうことだったのね。なんとなく違和感があったのだけれど腑に落ちた。