SOP

はしばらく前から反抗期に突入し、とりあえず何を言っても「イヤッ」しか言わない。噂には聞いていたがしかしこれはほとほと手を焼く。こっちに余裕のあるときはまだいいが、疲れていたりすると、どうしてもイラッとなる。怒っても、怒っているということしかまだわからないから、これもまた疲れる。

SOPはまだ飴をうまく食べることができない。口の中に入れていると甘いので、これはいいと頬張ってなめているのだが、口の中に飴を入れたまま出てきた唾だけを飲み込むことができない。飲み込むことができないのか、飲み込むという観念がないのか、よくわからないけれど、とにかく口の中にどんどん唾が溜まっていく。mayakovから聞いてはいたのだが、なにぶん初めてだったのでそれがどういうことかはよくわかっていなかった。

某Cafeに入って、注文をしているあいだに、とうとう限界が来て、注文を聞いている店員の子が、わあと驚いたので、SOPを見ると、御しかねた飴の残りを左手で口からつまみ出したせいで、そこから唾というかよだれがしたたって、ソファと俺のふとともに、よだれだまりがねっとりとできていた。さすがにここまでくると腹も立たず、力なく笑って、なんか拭くものくださいとお手ふきをもらって、すいませんと謝るが、若い子だし、さすがに営業スマイルも引きつり気味で、つまりはボール一杯分のよだれだから、これは親子でないと相当にバッチイ感じがするだろう。30分くらいはなめていたものな。

よだれでしっとりぬれたズボンは相当に気持ち悪く、なかなか乾かなかった。SOPは何か悪いことをしたようだということはわかっていたみたいでしばらくはおとなしかったが、またすぐにわがままな乱暴者に戻って、気に入らないことがあるとひっくり返って大暴れの大騒ぎ。こういう店はもう限界かな。

返す返すもすみませんでしたね。>某cafeのひと。

しかしSOPはSOPなりに、成長もしているようで、この何週間か、毎朝お気に入りのワンワンのパジャマを脱がすのに、嫌がってワンワン!ワンワン!と泣きわめいて抵抗して大変な騒ぎだったのだが、ここ数日、悲しげな顔をしてワンワンとつぶやくだけで、また夜になったら着ようねというと、しぶしぶではあるが、おとなしく脱がさせてくれるようになった。つまりはこうしてじょじょに成長していると親としては、そう信じているわけで、きっと成長してくれるはずだというか、してくれ頼む。

いやまだ2歳だよ。先は長い。本当に長い。