備忘

かつて、多くの学生が「いやし」であれ、「こころ」のナントカであれ、いわば臨床心理学的ななにか、セラピーに向かう傾向を強く持っていたとして、昨今ではじょじょにではあるが、いわば同様の対象を狙って至るようなものであっても、むしろ犯罪に結びつくようななにか、法医学的であったり、端的に警察的な何かに向かう傾向が強まっているような気がする。
窃視的な関心であれ、あるいは別のサディスティックな関心であれ、かつてのセラピーが非充足感にもとづく、他者の直接的なコントロールや支配に向かうもの(正確には他者のコントロールを通じた自己の全能感の充足)であっとすれば、げんざいのそれは、もはや精神や魂ではなく身体を対象とするような、不安感に根ざしたより攻撃的なものであるのだろうか。

ただし、正確にはそのような「関心」が、あらたに出現したのではなく、それらが「学校」という場所で授業料を払うことで手に入る「知識」であると誤解(?)する学生の量が増えた、ということかもしれない。いずれにせよセラピーから犯罪学へ、その関心のありようが移行したにせよ、狙っている対象はさほど変わっていないことは確かであるように思うのだが。

要観察