けっきょく
きのうは会議で日が暮れ、今日は学生さんのご訪問相次ぐ。
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「悪者探しばかりしているような気がするのですが。大企業が悪いとか、男が悪いとか、ときどきはひねって団塊世代がわるいとか、悪いっちゃ悪いのかもしれませんが。それでいいのですか。そういうことなのですか。」
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「企業が悪いとか効率追求が悪いとか言われると困ってしまいます。私が会社でしてきたことは間違ってたのですか。間違ってたら謝りますが。」
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「働くことはよくないんですか。」
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「こんなにこれ以上リストラで首切るぐらいなら、自分の首を切った方が楽だと夫はゆうてますが、それでも首を切る会社がわるいのですか」
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「家族手当と控除の区別がついていないのに家族賃金がどうだとかいうてますが、どういうことですか。」
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「資本家が悪いって、資本家ってだれですか。わたし自社株かわされましたけど、働いてたとき。」
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「困っている中小企業のおっちゃんは悪者じゃないけど、大企業は悪者って、中小のほうが簡単に首切ってませんか。」
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「もう現代社会の問題とか扱った授業にでたくはないです。最初はそういうのを勉強しにきたのに。だから関係ない古典を扱った授業とかに出てます。」
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「日本はどんどん悪なってるって、自分は無関係な言い方して、そんならよその国に住めばいいやないですか。」
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なんかひとのケツもたされている感じもしつつ、勉強したいと思ってきたひとを幻滅させたままはまずいのでいろいろに回答。基本的には、一次接近のために単純化せんならん部分があるということと、その場合、より悪が少ないと思われる側からスタートしたほうがいいだろうということ。あと、ごめんなさいうちが売ってる商品にはときどき不良品もありますと言ってごめんしてもらう。(学生は意外と不良品もあることに気がついていない。)
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お気楽だったのかもしれませんね。もう上の世代には期待していないので若い人は頑張ってください(現場はこういう感じです)。古典の人はもうあっぷあっぷです。
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とりあえず稲葉振一郎本(「経済学という教養」)を持って帰ってもらう。スレた読者向きかなあと思っていたので、いきなり読むのはちょっと微妙な感じもしたけれどしかし現状ほかに選択肢も思いつかず。
- 作者: 稲葉振一郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2004/01/10
- メディア: 単行本
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苦い反省とともに我が身を振り返る。ともあれ商売、飯の種だ。真面目にやろう。