読みたい

というので、授業(入門ゼミ)で使えるかどうか、またまた話題の本(梅田望夫ウェブ進化論ちくま新書)を買って読んでみる。こういうビジネス書を読むのは久しぶりなので、ちょっと懐かしかった。相変わらずこの手の本はものすごいスピードで読めるから、どうしても金返せ感が強まるが。
年齢もそれほど変わらないし、こっちもそれなりにネットに浸った生活をしているからか、そういう適度な古さこそがビジネス書の必須条件だからか、そこで書かれている様々な事例について、新たな知見というようなものはなかったが、途中、筆者が小泉に投票することを(なんだかよくわからない理由で)決めて、家族にもそうするように宣伝して回るくだりが少しだけ面白かった。
投票先は夫婦でも秘密にしたほうが面白いと思うので(なんというか毎回毎回白紙の決断をすることになるから)、筆者がそこだけ伝統的なのが興味深くもあったが、むろんそういう問題は好きずきなのでそれがどうだとかいうつもりはない。ただこのあいだの選挙で小泉に入れた人たちがどういう人なのか、もうひとつ具体的な顔が見えない印象があったのだが、ああここにひとりいた、こんな顔をしているのかという発見はあった。

ちなみに息子に小泉を薦められた著者の母親が誰に投票したかは、投票がネットで行われるようになるまではグーグルといえども最終的にはわからないわけだが、個体レベルのそういう揺らぎのようなものに耐性が低いひとが増えていくかもしれないなあとも思う。