大阪の

某国立大学では総額一千万の予算で、試験の成績がよかった生徒に金一封のご褒美を出すことにしたらしい。いまのところ教養ではクラスわけがあるから、そのなかで一位になった生徒に均等に配分すると、8万円になるそうだ。(でかい大学は120もクラスがあるんだな。)
まあもとをたどると大学の予算のかなりの部分が皆様の税金だったりするわけだが、構造改革するとこういうナイスな金の使い道を考え出してくれるわけですよ。頭のいい人たちは。
奨学金とかに使ってもろくなことにはならないしね。それに比べるとあなた。さすがリジ! だてに二千万も三千万ももらってないよね。

噂ですけどね。うわさ。
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今年は分校ではレポート試験だったのだが、コピペが例年より多くて閉口した。約40人中10人近くに落第点をつけるはめに。出典の明記し忘れということで多少のコピペには目をつぶってこの数字なので、すごく消耗した。コピペの割合に応じて5点とか15点とか25点から最大50点まで点を付けた。コピペ量が2割以下なら、ぎりぎり60点台で通過したのもいた。抗議があれば教務委員会にかけようと思うのでできれば抗議があってほしいのだが、さて。
今回多かった理由のひとつはたぶんレポートの制限枚数が2000字までだったということもあろう。普通に試験するつもりが学生たちの声に押されてレポートにしたのが運の尽きだった。毎年レポートの場合はだいたい4000字ぐらいを課していたので、多くのコピペ星人たちはおそらく提出に至らずに討ち死にしていたのだろう。コピペ星人たちは基本的に労力をかけたくない人たちなので、10枚ぐらいになるとさすがにもうやめちゃうのだろうか。そもそも量が増えるとコピペだけではうまくゆかないのだろうか。もちろんそれでもコピペしてくる強者も若干はいるが、つじつまはほとんど合ってない。

今年は合併先の本校で何百人も一度に相手しなければならず、分校になったもともとの勤務先のこぢんまりした授業が居心地がよかったせいで、ついつい甘い顔をしたらこのざまだ。夏の終わりにひどい目にあった。なんちゅうかなにかが弛緩してる感じが不愉快なんだよな。

下のニュースによるとなんかすごいことになっている。
http://japan.cnet.com/special/story/0,2000050158,20086860,00.htm?ref=rss
さすがにこのレベルになると研究にも使えるだろうと思う。(ウエブに公開されているデータの学問ジャンルごとの質にもよるが。というかプロだってGoogle Printを読んだふり文献リスト用に使っちゃう人続出だろう(こりゃよくできてますぜダンナ)。)こうい壮大な話から、レポートのコピペ回答という矮小な問題に思いをはせるのもなんなのだが、ついついそういうことを考えてしまう。
まあテクノロジーはいつも両義的で、これはコピペ・レポートの発見にも一役買ってくれるはずだ。いまだとけっこうコピペ先にバラエティがあるから、探すのが結構めんどくさいのだが、こういうテクノロジーが発達するとコピペ星人たちはあまり工夫しない人たちなので、ふるい落としは楽になるかもしれない。つらつら考えるに、コピペ聖人たちは昔からなにかを写してきたわけで、そうすると結局googleが可能にしたのはむしろ安易なコピペ星人の摘発だというべきだろう。

文章の類似度をチェックしてくれるソフトもあるようだから、テキストファイルでの提出を義務づければそのうち、ふるい落としそのものも自動化されるだろう。なんかマッチポンプという感じもするけれど、商売という観点から見れば完璧なビジネス・モデルだ。

となるとまたふたたび手書きレポートの時代に回帰するのだろうか。すごくマイナーというか誰も知らないような教科書から手で写されると、怪しいとは思っても尻尾がつかめないのが悔しい。どうせ写すならもっとましな研究者の文章を写せと思うんだがそうすると足がつくので、向こうもわざとそういう本を写すのだろう。ある意味賢いわけだが、その程度には賢いのに写した文章が凡庸だから評価は低い。難しいものである。

けっきょくこちらとしては商売上学生の理解度をはかりたいわけだから、品質管理をしようと思えば、一定の制限をかけざるをえない。単位や学位の換金性というか、資格化が進みそうだから、そういう品質管理は不可避だろうなあ。どんどんめんどくせえ方向だな。

しかし大阪の某大学、ひとりに一千万渡してもいいんだが、そいつがコピペ星人だということになったらどうするのだろう。