Anthony Grafton,The Footnote
ところで、今日はなんか頭がはたらかないから、読書でもしようと思って、積読になってたGraftonのFootnoteをぼちぼち(英語はフランス語以上に語彙がないので、辞書を引き引きになってしまう)読んでいたんだけど、最初のGibbonのところで引っかかってしまった。単に学識を示すだけではなく、ときには皮肉だったり、含み笑いをしながらだったり、Gibbonの本音が脚注によく表現されているというような話が最初のところに書いてあったので、該当箇所を見ようと『ローマ帝国』を開いてみると、どうもへん。原書が手の届くようなところにおいてあるような教養人でもないので、ちくまの文庫版(中野他訳)だったのだけれど、該当箇所が見つからない。へんだな、と思って図書館にいくと、また大学の図書館がひどくて、英文学科があるんだけど、ここの教員はあんまり教養がないのがまるわかりな品揃え(おっと!)で、100歩譲って、良い本は私費で買ってるとしても、いちおう院生もいるのに、これじゃあ学生も困るだろうというほどに原典がない。(あるにはあっても、恥ずかしくて引用もできないような本ばかり。)やっと探し出したらずいぶん昔に買った、編者の注もついてないようなものしかない。ギボンって英文学ではマイナーなんすかね。まえにEzra Pound探したときも、アメリカの大学生向けのアンソロジーしかなかったりして・・・・(あれは就職してすぐだったから、さすがに今はもうあるだろうか)。
The Footnote: A Curious History
- 作者: Anthony Grafton
- 出版社/メーカー: Harvard University Press
- 発売日: 1999/04/01
- メディア: ペーパーバック
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どうやらギボンのあの本は文学書ではなくて、あくまで史書であって(それは確かにそうなのだけれど)、文学的な装飾はいらないという方針のようにしか見えないのだが、しかしそれって変だよなあ。
しかしこれは英文学方面では有名な話なのだろうか。どういう事情でああなっているんだろう。日本語訳のハードカバーのほうは全訳されていて、これは文庫版だけの事情なんだろうか。ちょっと謎だ。
とまあそんなことをやっていると、全然まえに進まない。読むの早くなりたいなあ。
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ところで、こんなものを読んでいる時間はないのだけれど(どうせ翻訳は進行中だろうし)、The Footnoteはなかなか面白い。ある種の皮肉な目線というのに弱いんだな。これはしかしnymarの仕事には参考になるかも。