少し似た別の話

数日前の東京ローカル局配信の経済ニュースを見ながら、似たことを思ったりもした。公共事業費のカットにもかかわらず、地方ではいわゆる土木建築関係の業者の転業が期待していたスピードで進んでいないというニュースにたいして、映像が物語っていたのは、要するに業者が若いと転業をやるようなリソースがあるけれど、高齢化しているケースが多いので、その場合は、たとえば福祉関係事業への転業などはなかなか進まないという、至極ありそうな事態だった。
名前を知らない何かの評論屋さんがいうには、転業が進まないのは、規制があるからだそうだ。なるほど。(ぐっどういるは?)

C'est une revolte logique?

つうか冷静に考えろよ。隙間1秒で返事しないといけないからそんなことになるんじゃないの。

ちなみに日本では石炭から石油へのエネルギーの転換にさいして、三井三池炭坑で大争議があったが、たとえばあれほどの大争議を経験した当事者たちの判断はどのようなものかといえば、思っていた以上にスムースに産業間の人口移動が進んだというものだ。すでに傾斜生産方式のころから、将来的には石油へのエネルギー転換は見通されており、ある意味では粛々と進められたプロセスを象徴する事件が、三井三池の「大」争議なのだ。

じっさいイギリスがその処理に何年かかったかを考えれば、日本の変化が以下にスムースであったかはよく分かる。総力を結集したとは言わないが、あれほどのコストと人材を投下して、あの程度で済んだと考えるべきであれば、そんなにほいほい進むはずがない。いや数年後に振り返ってみれば今回もまた異常にスムースに事態は進んでいるということになるのではないか。

水俣病であっても、まあいわばそうしたなかで発生した「大」事件だ。

いずれにせよ、評論屋さんによれば、次は福祉業界のカイカクと規制緩和が必要で、そこでまた人が余ることになれば、さらにまた別の産業のカイカクと規制緩和が必要で、このプロセスは終わることがないのです、だそうだ。
いったいしかしどのようなカイカクなのだろう。いっこうにその具体的なイメージは見えないまま、にっこり笑うことだけに長けたおっさんの好きそうな女性アナウンサーが何事もなかったように、次の話題に移ったのだった。

あとには、カイカクという空気だけがぼんやりと漂うことになるのだが、われわれはいつまでこれにつきあってあげねばならないのだろうか。