日曜
mayakovとSOPとで農林会館のギャラリーにアール・ブリュットの展覧会を見に行く。mayakovがわりと好きなのだ。ときどきネットやなんかで、ヤラレタッとかいいながら見ている。着いたときにはしかし展示は終わっており、撤収の途中だった。一枚だけ壁に掛かっている絵があったので見てもいいですかと尋ねると、どうぞと入れてくれ、こういうものもありますとわりあいと立派なカタログを見せてくれた。しばらく眺めてせっかくなので買って帰る。みなとても親切だった。
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mayakovが近くの手芸小物屋で見ているあいだ、座れるところを探していると、イタリア風のバール(というのも変だが)があったのでSOPとふたりで入ってそこで待つ。テーブルに穴が空いていて、そこにワインの壜を入れてワインクーラー代わりに使えるようになっていた。SOPがなんで穴が空いているの?と聞くので、お姉さんに聞いてみたらと言うと、よほど知りたかったのか注文を取りに来たウェイトレスの女性に恥ずかしそうに聞いていた。ビールを頼むと500円でさらにちょっとしたおつまみもついてくる。チーズと生ハムとオリーブ。SOPは生ハムが大好きだ。親指の先ぐらいしか分けてくれない。父ちゃんが生ハムを食って、しかもうまいなんて思ったのは、たぶん20を過ぎて30近くになってからだと思うよ。
でもまあ、いつまで食えるかわかんねえから、今のうちに食っとけ。
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しばらくSOPとカタログを見て過ごす。抽象度が高いもののほうが面白いようだ。
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しかし誰もが言うことだが、日本は子供に、というか子供連れに神経質なまでに不寛容だ。神経質なまでにSOPの声に反応(顔をしかめる)をするひとがときどきいるが、6時にもなっていない日曜のバールなんだからとこっちなんかは思うけれど、なんでだろうな。単純に現象だけで言えば誤解された西洋ではあるのだろう。個人的な経験では、たぶん「西洋」(太平洋の向こうも、ユーラシアの反対側も)のほうがいまや子供には寛容であるように思う。
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あるいは階級意識のようなものが希薄だということもあるだろう。しばらく前に居酒屋に子供で行くべきではないとかなんとか、ネットのどこかで盛り上がっていたのを見かけた。たしかにしつけの悪い子供連れには閉口至極ではあって、その点には同意するのだが、なかに居酒屋を高級レストランかなんかだと勘違いしているのではないかと思われるような意見もあった。なんというか居酒屋では客は選べないだろう、ということなのだが。うるさいって、まあ居酒屋だからなあ。そりゃうるさいだろ。おれだって大阪の南でずいぶんといろんなことを諦めてるよ。
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しかしこういうのは、ものを買うときに会話が少ないのと関係してるかもしれない。習慣の問題もあるけれど、たぶんお店が(なんであれ)、生活圏の一部になっているかなっていないか、という違いもあるだろう。というような話になるとたちまち日本独特の都市計画や、労働時間の話になってしまって、世代単位でしか解決できない問題になってしまう。
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でもお姉さん好きの草太は、お姉さんが優しく何度も話しかけてくれたおかげか、すごくよかったようで、帰り際、機嫌良くバイバイしていた。
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その後、SOPは疲れたのか、7時にならないかのうちに電車のなかで寝てしまった。