と遊ぶ。

お昼はパンを買って公園で食べようと家を出ると、SOP自転車に乗って遊ぶと強硬に主張。公園はSOPが自転車で行くには途中の交通量も多いので、とりあえずmayakovがパン屋にパンを買いに行っている間、団地内の公園でSOPと自転車に乗って遊ぶことに。少しすると近所のNたん(ひとつ年上の女の子)登場。きょうはな、おにいちゃんがな、べんきょうするからな、おとうさんがな、そとにいけってゆってん。Nたん、お姉ちゃんはおれへんの。おねえちゃんはな、もうな出て行っておれへんねん。おかあさんはどうしたん。おかあさんは仕事に行ってる。ええ?おかあさん仕事はじめたの?なにしてんの? うーん、しれへん。
自転車にかわりばんこに乗ったり、プラスチックのバットとスポンジボールで野球をしたりしたのだが、そのうちバットはぼくを叩く道具になった。ひとしきり遊ぶと、お茶頂戴とのことで、ふたりかわりばんこにSOPの水筒のお茶をじゅーじゅー音をさせながら飲む飲む。
なんでじゅーじゅーって音がするの。あのな音ってな空気のぶるぶるふるえるからでるねん。この水筒の口のところせまくて変なかたちになってるやろ、それでな、そこをお茶が通り抜けるときに・・・・。
あいつらは(SOPも含めて)こうやってひとがまじめに説明し出すととたんに聞く気を失う。
うちにはお茶がないねん。ないねんって、なんでないの。おかあさんがな、つくってくれへんねん。みずがないねん。ええ? Nたんとこは水がないんか? お風呂とかたいへんやな。せやねん。せやからSOPちゃんの家の水をこっそりぬすんでんねん。けらけらけら。
そのうちmayakovが帰ってくると、SOPもNたんもmayakovに駆け寄っていく。SOPちゃんのお母さんな、おちゃあるやろ、おちゃちょうだい。はいはいとなぜかmayakov半笑い(どうもNたんはいつも他人のお茶をあてにしているらしい)。Nたんきょうはひとり? うんおにいちゃんとおねえちゃんはよこはまのおばあちゃんちにいってんねん、とぼくに説明したのとはまるで別のことを言っている。

Nたんも家に帰り、SOPも自転車あそびに満足したのか、おとなしく親子三人で公園に出かけることに。公園の土手で三人でパンを食べる。mayakovはビールを買ってきてくれていたgood job. 食べている間にぐうぜん近所のHちゃんとSちゃん兄弟がおばあちゃんに連れられてやってきた。弟のHちゃんはSOPと同い年。家族といるとだいたいそうなのだが、最初のうちは三人ともなぜか一緒に遊ばない。が、そのうち犬コロのようにじゃれあいだす。喧嘩とも相撲ともボクシングとも、たんなるスキンシップともつかぬ感じで押し合いへし合い、しなだれあい、突き飛ばしあいと、しかも間断なくきゃあきゃあ叫びながら、土手の上から下へと行ったり来たり。見ているとそれだけ思わず頬がゆるむ。楽しそうだなあ。

土曜は会議で、あまり楽しからざる話を聞いてきたので、一服の清涼剤であった。まあ最初は冗談かと思ったが大本営の給料1割カットの発表は本気みたいで、まあ将来的にこういうこともあるだろうと、ローンの必要な耐久消費財その他を控えていた自分の先見の明を誇りたくなった。これはしかしダブルインカムでない家庭で下手なローンを組んでいたりすると、たぶん冗談ごとではない。スタグフレーションの可能性もなくはないので、もしそんなことになったりすると、来年あたりはかなり寒いことになりそうな悪寒。おそらくは減税があるわけでもなく。ほんとうにどうします。まあ選択の余地のある人は借金(住居や耐久消費財)は様子をみたほうがいいような気がするんだけどな。来年また税収が減るとまた下がるのかな。ラスパイレスも80台を前提にしたほうがいいかもねえ。東京の流行に遅れて乗ったが、しかし最悪のタイミングだったかもなあ。

しかしマジな話をすると(というかお金のことなのですでに十分マジだが)、府は例の自公タレント知事なのだが、たぶん関西以外の人はあまり気がついていないと思うが、その前にあった市長選で勝った民主推薦の候補もいわばタレントであった。この結果があまりに大きかったので、自民の一部に忌避感があったにもかかわらず、現知事が推されたのではないかと思っている。ちなみに民主は府知事選もこの方針でやるのだとばかり思っていた。なんというか毒入りのリンゴかもなあと複雑な感じで見ていたから、全く別の戦略であったので、それはそれでびっくりした。
この市長選があるまではメディアは大阪市の職員の不正摘発大キャンペーンであった。それはまあ元助役の前市長(自公民だったかな)が割合と本気でやっていたことで、どこかの時点でかなり政治的にも旗幟を鮮明にし、それを自公とメディアがバックアップするというような感じではあった。なので自公対民主という図式になった市長選は、民主と連合の関係を否定したくとも否定しえない以上、通常であれば市政改革を掲げる現職有利という情勢であったはずだ。ところが、元関西キー局のアナウンサーが民主候補で登場したところ、そっちが勝ってしまった。
むろん(府もそうだが)市も長いこといわゆる俗に言うオール与党の相乗り体制であったから、小泉が自民党内部の権力分布に影響を与えたほどには政策そのものに変化はなかったように(ゼネコンが金融屋になったところで、どっちもむしられることはあってもおこぼれに与ることもないのでそんなに嬉しくもないよ)、長いことオール与党でやってきて公共事業の無駄がどうとかという話をすればいったい誰の手が汚れていないのかといえば、その手で石を投げることのできる者は数えるほどしかおるまい。(じっさい府も20億ほどかけて御堂筋のイルミネーションをするとの案が出てきたとの噂だが、35人学級とか、あれやこれやを削ったあげくが、イルミネーションとは、それがどういう意味かはまあよほどのカマトトでないかぎり分かろうというもの。)まあ、そういう意味ではいわば部外者が選ばれることも理解できないではない。しかしだからと言って、テレビに出ているという以外に共通点のない候補が引き続いて行われた選挙で勝利し、しかも政党の選択としては、(まあどちらも似たようなものだという考え方もあるにせよ)全く逆の選択をとなったというのはやはりなんともきみょうなことで、そしてそれ以上に、市長選のほうが、自公があれだけ入念に準備して、手順を踏んでやってきたあげくに、流れというか文脈をまったく無視するかたちで、候補者ひとりでひっくり返ってしまったわけだから、やはり見ているこちらとしても衝撃に近いようなものはあった。

ちなみに横山ノックや(これは国政だが)西川きよしというような選択とはまた質の違ったものだと言う気がするのは、たぶんメディアと政治との関係がこの10年ぐらいの間にずいぶんと変化してきたからそう思うのだろう。

それはそうとタイムマシンで高校生ぐらいかな、その頃にもどって、ツーツーレロレロを見ているおれに、お前がヘタッピイの一本調子だなと思っているみているこの漫才師の片割れは、そのうち女優と結婚して(ええ?)、未成年者にたいする買春でつかまって(それはいかにもありそうだ)、そのあと大分県の知事になるよって予言したとして、高校生のぼくは信じるだろうかね。で、そのとき日本はどうなってると思うだろうかね。

SOPの話からずいぶんずれてしまった。久しぶりに遊んで疲れたので、ビールをかっくらって、こうして長々日記を書いているわけだけれど、その前には久しぶりに映画もみた(もちろん録画したものをテレビの画面でみたのだけれど)。しかし何を見たかというと『大日本人』であって、まあ頭を使いたくなかったのだ。なんというか可能性としては、まったく駄目なものではないような感じもするのだけれど、全体としては演出が意外とあかんかった。ちょっとづつくどかった。映画は何でか知らん(こっちの心構えの違いだろうか)テレビと違って情報量が多くなるから、そのへんの計算がずれるのかもしれない。
いちど他人のシナリオで撮ってみたほうがよいのではないかと思ったり。そういう企画が通るとも思えないが。
最後の場面の無惨ないじめのようなシーンとかは、そのあまりの貧しさが印象に残った。全体としては、ああたけしの影響が強いのかなあという映画のなかで、ああいう感じはたけしの映画にもないものだった。前半というかその最後のシーンまでは、CGとか使って装飾過多な感じで、記憶に残るような無惨な感じはあんまり伝わってこなかった。説明的なセリフも多いし。切り替えのところも説明抜きで切り替えたほうがよかったのに。
mayakovの評価は、しかしそれならゴレンジャイのほうが面白いというもので、うーん、たしかにそれは否定できない。
しかし紛うことなき立派な失敗作であることはたしかで、その失敗の具合は、たまたまmayakovとSOPが実家に帰っていたとき、なぜか見てしまった踊る大捜査線とかいう織田裕二と昔「なっちゃん」という名のオレンジジュースの宣伝をしてた子が主役の映画よりはずいぶんとましだった。(日本の女優は不幸だなとだけ思ったのだが、しかしまったくくだらんものばかり見ているな)。