ね、ね、ね

眠い・・・。アレサ・フランクリンの歌を聴いたあと、思わずそのままオバマの就任演説を聞いて夜更かししてしまう。就任演説を聞くのは初めて。思ったよりも具体的な施策をあれこれ述べていたが、やはり全体のトーンは予想通り現在の難局を強調する感じが印象に残った。しかしJBが生きていたら、どうしたんだろう。まあJBはないか。

まあ日本と比べると・・・という話をしてもしょうがないのだけれど、演説の質は横に置いておくと、レトリックとしては、われわれは若いピープルだといいながら、じつは建国の父の苦難を想起させたり、南北戦争、人種の分断といった(国民の)歴史的経験に言及しながら語るスタイルであって、じつはたとえば日本の政治家でこういう歴史的経験や歴史的想像力を用いてなにか演説や文章を構築する人はあまり記憶にない。日本の伝統と言いながらぼくの印象ではとてもあやふやな抽象概念に頼るケースが目につく。たしかにFounding Fathersの話というのはいささか神話的、つまり象徴的な要素が強いかもしれないが、しかしその具体的な経験や憲法というその制作物が担保になっており、それはまだ歴史的経験と呼ぶべき範囲にとどまっているように思う。
つまり何が言いたいかというと、おそらくまだわれわれは、(わが代表を通じた)政治的な言語のなかで、戦後を歴史として語ることができていない若い、トラウマという形式を用いてしか語れない、抽象的な、つまりまだ子供の国民なのかもしれないなどと、明日(すでに今日だが)の準備をしながら思ってしまった。

で、さすがに寝るよ。これ書いたら、少し目が冴えてしまったけれど、パレードまで付き合うのはちょっとな。さすがによその国の話しだしな。

しかしcommunity organiserだったという話は、しかしみんなあんまし強調しないな。選挙のときあれだけ叩かれたのにな。この話を強調しないと、そこからハーバード行った話の意味もピンとこないような気がするんだが。なんかアフリカ系のひとたちがDNAからルーツを探るのが流行っているとかの小ネタとか、そういうのはよく見るけど、アメリカ製のドキュメンタリー以外で、シカゴのinner cityの話とか教えてくれやしねえ。アメリカ住んだこともないし、それを研究しているわけでもないし、こういうときこそメディアに教えて欲しいわけだよ。常識をさ。
まあテレビも新聞もたまにしか見ないから見落としているだけならいいんだけど。この国のメディアはしかしワイドショーに毒されちゃったからなあ。中身のないまま見出しだけ考えていいのは東スポだけなんだけどな。いくらなんでもちょっと頭が悪くなりすぎているんじゃないだろうかとちょっと心配。

海外のドキュメンタリーとか流してくれるのってNHKだけだから、いやまあNHKあって助かってるよほんとに。ただし近ごろのNHKのドキュメンタリーや教養番組の一部はすごく困る。科学番組とかまでなんか曖昧にテレビ出ている芸能人使って小芝居させたり、流れぶち切ってクイズやったり、学級会みたいで気恥ずかしいです。モジャモジャ頭のクオリアとか言ってる人と一緒に対談番組やっている女性のアナウンサーが出てくるやつです。あんまりだと思います。まあ淘汰圧がないところで、変なバラエティやられると演出の腕を堕落させるだけだと思います。つまりそういうのは民放でお願いします。民放で。民放みたいな番組なら民放がありますんで、そっちでやればいいと思います。そういうの流したい人は転職すればいいと思います。客が財布から金を払わない芸能は、芸能ではなくて宴会芸だと思います。つまりそういうのは見てるほうが我慢して見ないといけないので、隠し芸してるのが上司や取引先だったらぼくも大人なので我慢して見ますけど、そうじゃないのでおかしいと思います。なんで学芸会チックかというと、ノーリスクだからだと思います。ノーリスク(あるいはローリスク)でやらせてもらっているときは、理念や伝統や規制の縛りがいると思います。