すでになおしてしまっていた加湿器のフィルターをアマゾンで慌てて注文したついでに、本も一緒に注文。

コーネルの箱

コーネルの箱

コーネルだから、というよりは柴田元幸が訳していたのでひょっとすると面白いものかなと、あまり期待せずに買う。一ヶ月ほど前に恵美須町で見つけた古本屋さん(二階がカフェになっている)で、むかしに滋賀美でやったコーネルの展覧会のカタログが棚の上の方にあるのをmayakovが見つけて、なつかしいのでついつい買ってしまい、最近はどういう本が出ているのだろうと検索したらこの本に当たったのだった。その古本屋で改めて分かったのはコーネルはシュールレアリズムのひとということらしく(いやまあそうなんだけど)、ただ、どうも日本で、シュールレアリズムというと妙におどろおどろしいアングラで耽美な文脈がむりやり混ざっていて、なんだかやたらと漢字の画数の多い名前にしないと何も言っちゃいけない気分になってくるし、矢沢夜露死苦みたいな感じがしないでもない。
ちょっと違う文脈なんじゃないの、という気がしないでもない。まあベンヤミンとか間に入れれば、そうなのかもしれないんだけどさ。耽美夜露死苦なのはちょっとなあ。

本自体はまあこんな感じでしょう、という感じでした。ちと退屈ですなあ。

もっともそれはこの本の刷り込みがあるせいかもしれない。
無限の網――草間彌生自伝

無限の網――草間彌生自伝

普段は、「自分のことを何と書かれても興味はない」と言っていたコーネルが、自分についての批評を大量に集め、こっそり押し入れにため込んであったのを、留守の間に彼女が見つけてしまうエピソードがあるのだが、まあそうなんだろうなあとしか言いようがない。

それとコーネルの家のテーブルには、「ウェルカム・ジャマイカ」などとプリントのあるビニールのカバーが何重にも掛かっていたとのこと。

そうだ。あと面白いなと思ったのは、コーネルの箱は職人的にすごく頑丈に作られているということ。彼はすごく腕のいいboxmakerだという言い方をしていた。たぶんアメリカの文脈だとヨーロッパ的(「お」フランス的?)だったのかもしれないけれど、なんかちょっと違う感じもするんだよね。