よく働いた
ということにして、それときのう(というか日付上はおとついだが)はQuatorze juilletだったので、安いポルトガル製のシャンパンとエクレアを買って妻と親しむ。それと自分用のご褒美として漫画を大人買いする。
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当初から少しながめのものを書く予定だったのだろうか、ずいぶん練られていて安心して読める。「大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301))」を読んだときに、繊細な感じがしたのでそうかいたけれど、繊細というのとはすこし違う気がしてきた。優しいのかもしれない。いくつかの失敗が書かれていて、そうした失敗が話の骨格になっている。最初のほうにそうでない女性ふたりの客をレズビアンと間違えるエピソードがあるのだが、いちおうそれが象徴的な挿話になっている。優しい、と書いたのは、それぞれの失敗は、さいごに出てくる犯罪を除いて(やはりそれが必要だったのだろうか)、すくいあげられることになるからだ。ただ、それぞれの失敗は失敗というよりも、正確にはいくつかの(重大でかつささいな)加害というべきであって、かつて起こった出来事としての、それぞれの加害が丹念に拾い集められ、しかるべき位置(こうであればよかったという位置)に置かれることになる。だからといって救済があるわけではなく、単にあらまほしき場所に置かれるだけであるが、それだけでもしかし読者としてはずいぶんすくわれた感じになる。
一見そう見えたとしても、かならずしも「被害」が物語をドライブしているわけではない。だから繊細というような性格というか性質というか、どちらかというと先天的だったり、10代ぐらいに身についたりするような類のものの問題でもないような気がしてきた。そのぶん複雑であるようにも思うが、なんというかたんに普通に人生を送っているのだろうかとも思う。
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つまり書かれているのは何かの「あと」のことであって、つまりはいまさらどうしようもないことで、だから好きなのかもしれない。
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いっしょに買った雑誌のFUDGEの8月号には、世界中のおしゃれさんが登場しているのだが、mayakovがちょっとちょっとというので見てみると、紹介されているパリのおしゃれな店員さんの名前がVendeuseさんになっていた。わざとだったらごめんなさいだが、ただいつもこの雑誌は微妙に詰めが甘いのだ。ときどき普通の雑誌みたいになってるし、もっとガンガレ。