読んだ本。

大塚の本をぱらぱら。繰り返し多し。大塚の本をまとめて買ったけど、『おたくの精神史』と『彼女たちの連合赤軍』で内容は尽きている。というか集大成になっている。民族や国家や国民を巡るいくつかの論考は、少し弱い。概念が押さえきれていない感じ。
それにしても同じ内容の本が大量にあるというのはやはり変だ。雑誌に大塚のような批評家の短いエッセイが連載というかたちで大量に載り、そのエッセイが本になるという出版事情がそうさせるのだろうが、なんとなく金返せ感強し。大塚はキャリアが長いからその辺ははっきり見えるけれど、退屈論のなんとかとか、斉藤美奈子とか、事情は同じになるんだろう。紅一点論とか、モダンガール論とかがもっといっぱい売れて、それで飯が十分に食えればいいのにとおもわぬでもない。あんまりあれこれ細かいことを書くとなると、読む方もあんまり読み込みをしようと思わなくなってしまうようにも思う。つまり消費者的になるのではないか。
さすがに飽きたので、まともに勉強したくなってきた。けどまあここは少し我慢してローマ本に専念。シュミットの再読はその後。
ところで柳田が「民俗学とはよい選挙民を作ることを目的とする」と書いたらしいが、非常によくわかる。この場合、民俗学のヨーロッパ語への翻訳はどうしよう。