気になったこと

国会議員への二世候補の選挙区制限の話で、「職業選択の自由」に反するとかどうかという議論をときどき見るのですが。
あれはいわゆる「職業」なのでしょうか。頭の中が古いせいもあって、どうも国会議員を職業とする発想がなじみません。まあ職業なのであっても、それはそれで結構なのですが、だとするとこれからは「国民の皆様の投票の結果、わたくし国会議員に就職いたしました。」とこう演説してもらいたいですよね。落選ではなくて、失業ということになりますよね。それって投票で失業させてしまうことになって、なんか訴えられそうで怖いです。議員歳費もあれ給与ということでしょうか。任期は三年未満にしないとややこしくないですか。
自営業のようなもので労働者でないとすれば、「今回国民の皆さんのご支持によって、開業いたしました。」とか、「利益もたくさん出ておりますが、わたくしの力及ばず、ひとまず閉店させていただきます。ガラガラ・ガシャン」とか言ってもいいのかしら。

それともいま流行の請負になるんですかね。コンスタン風といえなくもないですね。だとするとネオリベな私といたしましては、競争入札したほうがいいような感じもするんですが。最低入札価格を決めないとまずそうですね。思いっきりレモン市場ですからね。見積もりを立てるのがえらいたいへんなことになりそうですが、積算の根拠自体は案外と立てられそうです(マニフェスト2.0みたいなもんです)。これはしかし二世議員でもないかぎり書類作れないかもしれないですね。
しかしそんなことより、なんかもう投票がいらない感じになりますよね。それはそれで困りそうですね。困らないですかね(政治任用ってそんな感じがなきにしもあらずですね。政治家が非常にモラリッシュであることを前提しているような気がしますね)。経済学者の多くは喜びそうですね。そのわりに世の中がよくなっていないのはおかしいとベッドのなかで眠りに入る直前に不審な気持ちが一瞬よぎるかもしれませんね。きっと最低入札価格制度がまずいのだっていうでしょうね(そこで規制緩和とコウゾウカイカクですよ。テレビ東京の小谷さんもウッフンですよ)。

そういえば公務員が労働者じゃないって議論もあったりしますが、そう言ってる人と二世議員を擁護している人ってわりと一致している率も高い気がします。あんまり矛盾しないのですかね。まあみんなメディアのなかのひとには優しいんですよね。メディア大好きな世代ですよね、ぼくら(要するに若い頃にメディアにピック・アップされたら左翼になって、されなかったら右翼になるんですよ。でもみんな好きで好きでたまらないんですよ)。

頭が古いものですから、立候補する権利/投票する権利(政治)と職業を自由に選ぶ権利/労働する権利(経済)はそれぞれ別立てで考えたいと思いますし、それで済むような気もするんですが、駄目なんでしょうかね。済まないのですかね。よくわかりません。よく分かりませんというのは、ものをよく知らない人は、こういう風に機械的に考えて、ふつう議員を職業だとはあんまり考えないと思うのですが、多くの人にとって議員が職業だという発想が不自然ではないということですよね。むしろこっちの発想のほうが理屈を立てるのにひねりがいる感じがするのですが、なんかこのひねった感じに違和感を感じないんでしょうね。公務員は労働者じゃない奉仕しろとか言ってるのに、なにか変な感じがします。

ああ、職業としての政治Politik als Berufという本があったことをすっかり忘れておりました。すみません。職業選択の自由がでてくるかどうか、確認せねばなりません。が、なにか貧乏人にはやらせてはいけない風のことが書いてあったような気がしないでもありません。同じ頃のフランス人政治家ならきっとそういうでしょう。まるで革命がなかったことのようになってますね。なにかおかしな前提があるんでしょうか。
そういえば、こういうBerufも選べるんでしょうか。選べるものなら選びたいです。こう考えるとなにかよいことのような気もしてきました。