頂き物。

科学と表象―「病原菌」の歴史―

科学と表象―「病原菌」の歴史―

著者の田中祐里子さんからいただきました。ありがとうございました。
読んでいると、そのひとと面識があるせいで、どうもその肉声が耳に響いてきて、困ったり、困らなかったりするタイプの文章というものがあるが、「あとがき」を読むと案の定、どこからか声が聞こえてきた。
著者とはすでに10年来の、と書いてもおかしくない友人である(はず)であり、たしかに幾度となく著者の発表を聞く機会があったのだけれど、不思議なことにこの本にまとめられることになった、その専門分野にかんして、結局、研究会でそれを聞き、議論する機会はなかったということに気がついた。早くも惚けかけ、記憶がおかしくなっているのでなければだが。つまり、もしその記憶が正しければ、知っているようで知らない人だったということになる。とはいえ終章の文章を分からぬなりにたどれば、しかしそれはたしかにどこかで会ったことのあるようなひとの横顔であったりもし。