どうやら

メディア(得に紙メディア、とりわけ新聞)は反小泉だったという理解がけっこう多いのにはなんというか気持ちはわかるが、どうしたもんかという感じがする。確かに選挙終盤、自民が思っていた以上に勝ってしまうのではないかという情報がたぶん現場から上がってきたのではないかと邪推するのだが、バランスを取ろうした気配が感じられたことはたしかだ。それならそれでよほどはっきりと数字を出さなければアナウンス効果も働かないだろう。まあバランスを取ろうというより、たんなるアリバイづくりだったのかもしれないが。

ざっと見た印象ではじつは読売政治部が小泉政権にたいしては一定の距離があって、むしろアサヒ政治部は終盤まで親構造改革だったような印象があるのだが、まっこれは印象論にすぎない。理屈から考えてもむしろその方が自然な対応だと思うのだが。

(それはそうと選挙予測だが、300って数字をだしたところあったんだろうか。あんなに誤差を取っておいて、なおかつ予測がはずれるとなると、ちょっとさすがに予想屋としてはまずいのではないか。金が動いていないのなら、そりゃ学問ということであたろうとはずれようと、研究の一助になりましたということでいいのだが。やっぱ金動いてるよなあ。商業新聞なんだし。人ごとながら心配になる。)

しかしいずれにせよバランスとろうがとるまいがこういうイデオロギーというのは内容はどうでもいいわけで(何を報道するかであって、どう報道するかではない)、100%小泉に賛成しないからといって反小泉などということはない。(しかし100%賛成しないと満足しないというのもちょっと困った感じがする。)

まあいまはさすがにちょっとまずいかもと思ってるだろうが後の祭りだなあ。(というか思っていただかないとそれもまた怖い。)しかしこうなるとメディアは批判勢力にならなければ意味がないわけで、どうすんだろう。ネットでは政府批判してけしからんというバッシングにあうだろうが、2/3超えちゃったわけで、賽の河原積みのような批判であっても、せんとしょうがないだろう。

とはいえ、じつはもっと怖いのは選挙終盤から郵政問題といいながら、中身は実質的に公務員批判になりつつあったわけで、今後、政権が動き出して、今回当選したような若手議員を抜擢して仕事させたりして、うまくゆかなかったりすると(その可能性は高いよな)、真の敵、ほんとうの反対勢力、陰の権力者は、これ官僚ということになるだろう。その結果、内閣に協力して真の抵抗勢力を打破しなければならない、というキャンペーンをメディアのみなさんが始めるのではないか。もしそんなことになるとさすがにちょっと空恐ろしいものがある。どうも構造改革に過剰に熱心になるところを見ると、ブンヤさんというのも嫉妬心の強い種族ではないかと思うので、この可能性も排除できないのが怖い。(しかしかなりの年収だそうだから嫉妬せずともよいのにと思うんだが・・・。だめなんかな。)

なんというか嘲笑する対象をつねに必要としている印象があって、それがなあ。民主党についても、個人的には、あの生計塾ノリは勘弁して欲しいんだが、今回の扱いを見ると、やれ二大政党制だ、小選挙区だ、マニフェストだと、俺らはいらんといってるのに、勝手に作っておいて、そのあげくに地に落としている。ともかく積み上げては壊しているわけで、サディスティックというよりは、ほとんどマゾヒスティックな衝動にみえるが。どうしたいのかがわからん。

実は小泉内閣は官僚と結託しているのだ、という批判も週刊誌あたりでは盛んなのだが、どうなのだろう。今回週刊誌はたしかに反小泉政権だったわけだが、もし本気で今度は役所と喧嘩するということになると、これは週刊誌なんかも反官キャンペーンに加わるだろうから、もうPublic Enemy No.1で、味方は探してもいそうにない。
官僚と本気で対立するということになれば、人事権を行使するということなので、首の据え換えをやるかどうかがメルクマールということだろうか。まあお役所も一枚岩ではないのだろうが・・・、これ以上はもう妄想の範囲だな。

しかし経世会がいなくなると、最後のエスタブリッシュメントはそこだから、パワー・ゲームをやると快感だろう。小泉はまあ郵政やれば終わるわけだから、次のやつ(できればぼんくらがいいわけで、すると阿部?)ということになる。狙われると小泉に泣きつかんと助からんという状況ができるわけか。

しかし若い人にはしんどい世の中になる。無能なおっさんが上司で威張ってるのは確かにうっとおしいのではあるが、そいつらが威張っているおかげで、まあ実力を発揮しないまま眠った虎でいられたわけだが、登用されて仕事をしてみたら、張り子の虎だったということになると一気にお払い箱ということになってしまう。若い人にチャンスがあるというのはそういうことだ。まあ若手から中堅に入りつつあるところなので、わしもまだそういうゲームをせんといかんのだろうか。難儀だなあ。

しかし今回の結果で気になるのは、労働法制(ああ仕事が増える方向だよなあ。そんなマンパワーないぞ。)とか公務員改革のゆくえで、労働法制いじったあげくに生首やられるとしんどいなあ。ともかく有効な歯止はないわけだ。やるかなあ。やるだろうな。とりあえず快哉を叫ぶ人はたくさんいそうだからな。ガス抜きとしても必要だよな。

まあしかしローカルな現場からやる以外に抵抗の拠点はないよな。こんなときに国政選挙のメジャー路線を選ぶのもしかし勘が悪いよな。世代的限界ってやつかな。