Rainy Days And Monday --- ねずみ王国の再生と復興

id:yeuxqui:20040825のつづき
翌日、さすがに学校には昼過ぎに行くことになってしまった。研究室はあちこちに書類と本が散乱しているので、それぞれもとあった場所に戻す。気になったので3階のアライさんの研究室に行くと物音がしている。ノックをして研究室に入る。昨日あれほどの惨状だったのが嘘のように落ち着いた空気が漂っている。まあみんなで必死こいてたまった水を捨ててしまったので(いまよく考えるとなんであんなに一生懸命労働したのかよくわからん)、基本的な問題は解決されているわけだ。やはり3階だから、本当の床上浸水とちがって、泥なんかが残っているわけではないので、水が引くとまったく何事もなかったかのような状態に戻る。
本は一部水浸しになったが、幸い水の落ちてくる直下の本棚はスチール製扉付きのタイプ(本棚というよりは書類ケース)だったので被害にあったのはその上に乗っかっていた、一部の本と地面近くの本だけだったようだ。それにアライさんはどうも書痴じゃないのか、まあもともと人格円満なタイプな人だし、いたって気にしている風はない。机の上の本はもうこりゃ駄目だなという感じなのだが。
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ソファーに座ってきのうの事情を話していると事務のかたがやってきた。なんだかアライさんに大変申し訳なかったと謝っている。そうかこういうのは事務方的にはミスということになってアライさんは被害者ということになるのか。Yくんもぼくに対して大変申し訳ないと繰り返していたので、ちょっと違和感があったのだが。
まあしかしひとしきりご免と言ったその直後にいうことは、やはり「お金がないので、だましだまし・・・」と聞かれてもいないことをぐだぐだ。いや、もう3年後にはここは廃校になりますから、だましだまし使うほかないことは賛成なのですが、大雨で天井が抜ける状態を放置していたのは「だましだまし」に失敗したということではないのですか、と思うがまあ、こんなところで揉めてもしょうがないので放っておく(いっぺんややこしくなりかけたし)。
このひとは組合の忘年会で挨拶を頼んだのだが、そのときに人の名前を間違えたので(ミヤコハルミをミソラヒバリと呼ぶたぐいの)、司会だったので笑いながら***さん間違ってますよーと指摘したら、マイクを持ったまま「マチガッテマセン!」とかたくなに主張されてしまい、場をしらーとさせてしまうというタイプの人なのだ。
いやしかしアライさんは落ち着いていて、ずいぶん鷹揚なので、我が身と引き比べ反省する。もし自分のお宝のあれやこれやの本が濡れたらと思うとまあ許さんよなー、と思いながらやり取りをぼんやり眺める。
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アライさんと一階に行ったら、前の晩も来ていた工務店のおっちゃんたちが建物の壁に穴をあけて、排水パイプのバイパスを作っていた。
それ以外はなんか何事もなく、きのうと同じような日々。部屋に戻るとiTuneがCrackerの歌うRainy days and Mondaysをかけてくれた。まあそんな気分かなあ。(in If I Were a Carpenter。気の利いたもの(ソニック・ユースのやつとか)もあるトリビュート・アルバム)
で、気を取り直して20日までに出さないといけない書評原稿を書いた、というわけ。なんか『じょうきょう』という雑誌に載るはずなんすがね。そうだ原稿料ってくれるんかな。